コンクリート舗装工事の特徴と手順
一般的なコンクリート舗装工事はアスファルトよりも養生期間が長く完全に硬化するまで最低でも30日以上を目安とします。工事完了までに時間が掛かるので、一般道ではアスファルトの方が多く普及していますが頑丈で長持ちしやすいのがコンクリートの優れたところです。コンクリート舗装工事では生コンが乾くまでに仕上げまでを行う必要があるのでそれぞれの工程をスムーズに進めていく必要があります。
ここではコンクリート舗装工事の基本的な流れについて説明しています。一般的なコンクリートの路面を造る工事では型枠を設置してその中に生コンを打設します。路盤整正からコンクリ―ト打設、締め固め仕上げ養生まで複数の工程を挟み仕上げていきます。
| 路盤の整生 | 路面の凸凹を平らにする作業です。平らにした後は転圧機のコンパクタを使って締め固めていきます。路盤が弱い場合は、砕石を敷いて基礎地盤を作っていき補強をしなければなりません。砕石をする時には地面を掘り10㎝程度を目安に敷き詰めて締め固めを行います。 |
|---|---|
| 型枠の設置 | 生コンを流し込むための型枠を設置していく工程です。道の勾配やコンクリ―トの厚みを考慮して設置していく必要があります。型枠を設置したら強度を高めるために、ワイヤーメッシュという鉄筋を敷いていくのですが、型枠のちょうど中間ぐらいに設置するのが目安です。 |
| コンクリートの打設と均し作業 | 生コンを打設する工程です。生コンを打設したら枠の高さに合わせて敷き均していきます。 |
| コンクリートの締め固め | コンクリートを締め固めていく作業です。バイブレーターという機器をコンクリートの中に差し込みまんべんなく振動を加えることで生コン内部の気泡を逃がして密度を高めます。気泡があると、そこから亀裂が入ってしまいますので、そうならないようコンクリ―トを強度を高めるのに必要な工程です。バイブレーターで内部振動を与える時間は大体5秒~15秒で与えすぎるとコンクリートに配合されている骨材が沈んでしまいますので細心の注意を払って作業を行います。 |
| フロート仕上げ | 締め固めた生コンの表面をフロートやハンドタンパを使って滑らかな平面にしていきます。フロートとはコンクリートの表面を滑らかに整地する用具のことです。施工規模が小さければ仕上げゴテを使って表面を滑らかにしていく場合もあります。 |
| 粗面仕上げ | コンクリートの表面が滑らかな状態のままだとスリップしやすくなります。そのため、ほうきを使って横方向になぞり表面を粗く仕上げていきます。 |
| 水を散布して養生 | 水を撒いて養生をします。コンクリートはセメントと水で硬化反応を起こすので表面に水がある方が状態が良くなります。コンクリートが完全に固まるまでは最低でも30日以上掛かります。 |
| 完成 | 養生期間を経てコンクリ―トが固まったら工事は完成です。養生を撤去して点検作業に入ります。 |
| コンクリートの滑り止め工事 | コンクリート路面はそのままだと透水性が低いため雨が降ると路面が滑りやすくて危険です。そのため次のような滑り止め加工や工事を施す場合もあります。 |
| 真空コンクリート工法 | 真空コンクリート工法は強度が高く滑りにくいコンクリート路面を造る工法です。工事では、打設したコンクリートの路面に真空マットを敷き、真空ポンプを使って減圧します。そうすることでコンクリート内部の余剰水分を脱水することができ、締め固めも同時に行われていきます。真空コンクリート工法で施工されたコンクリート路面は、通常の路面よりも圧縮強度が高くなり、耐摩耗性の高い路面に仕上がります。またこの工法を用いることで本来なら30日間以上の養生期間をみなくてはいけないコンクリート舗装工事が1週間前後という短期間で完成するというメリットがあります。 |
| ノンスリップ輪型工法 | 真空コンクリート工法と合わせて行う施工がノンスリップ輪型工法です。輪型リングというものを打設したコンクリートの上に配置してその上から真空マットを敷き真空ポンプで減圧処理をします。路面にリングの跡を造ることで滑りにくくする効果が期待できます。 |